「小川浩康さんというコンテンツ」
/明星ライブラリー(デザイン・編集事務所)
小川さんの実家が近所だということもあり、彼の子供時代からよく知っています。
目をキラキラさせ、積極的で物怖じせずにどんなことでも「やってみよう!」と挑戦する姿勢は、小川さんが小学生の頃も現在も全く変わっていません。
今回、小川さんから(普段は彼が小学生の頃と同じ呼び名の”ひろ君”と呼ばせていただいています。)嬉しくもホームページ制作のご依頼をいただき、このように発信のお手伝いとしてたくさんお話を伺う中で、「私から見た小川さん」を紹介したいと思い、このようにページを作っています。
この機会に、圧倒的な行動力・実行力のかたまりのような小川さんにあらためてインタビューし、自身のことや渥美半島、農業への思いをお聞きしました。
2021年12月に待望のお子さんが誕生し、その日を境に農園名を「おがわ農園」から「渥美半島とまとランド」へ改名を決断した小川さん。この名前にはどんな想いが込められているのでしょうか。
その理由を伺ってみると、一番は「渥美半島をもっと有名にしたい。」とのこと。また一般的な「農園」ではなく「ランド」とすることで単純にワクワクすること、そして「生産者と消費者がここで楽しく交流できる場所」というイメージを感じられるように、という想いでこの名前に決定したそうです。
地元渥美半島は、農業生産高で全国1位・2位を争う農業王国であるにも関わらず、小川さんの印象ではまだまだその知名度や、渥美半島がトップクラスの農業地域という認知が低く、そのことを実感する度に「悔しい」という気持ちを感じるようになってきました。
それとともに、「渥美半島をもっと知ってもらいたい!」という思いと「農業そのものを盛り上げたい!」という気持ちが強まり、そのために出来ることは何でもやる、という持ち前の前向きな行動力と柔軟な企画力でSNSなどから独自の栽培のことやミニトマトの美味しさ、農業の面白さなどを積極的に発信してきました。

「”あつみちゃんトマト”が有名になれば、おのずと渥美半島のことも知ってもらえます。」と小川さん。
それは、「渥美半島とまとランド」からのコンテンツ発信が地域や農業全体、また自分自身の発展につながっていくようなイメージ。
小川さんのように、全国の農家の一人一人が農業という仕事に誇りを持ち、自分のアイディアを表現しながら農産物の魅力を発信するようになれば、日本の農業は活性化し、「農家になりたい!」と思う人も増えるのではないかと感じます。
農家と消費者をつなぐ「農カード」
2020年、そんな小川さんらしい発想から生まれたのが「農カード」です。

農業を盛り上げるために農家と消費者を繋ごうと企画された「農カードプロジェクト」はたちまち話題となり、各メディアでも様々に取り上げられました。
「目の前の野菜の向こう側を知ってもらいたい」
スーパーマーケットなどには毎日たくさんの農産物が並び、誰でも簡単に目の前の野菜を購入出来ます。ですが、「誰がどんな苦労をしてどんな思いで作っているのか」は、なかなか伝わりづらいものです。
小川さんはじめ、各農家がカードとなって全国へ発信されることで、農産物のことや生産者のことを知ってもらうきっかけとなり、生産地のPRにもなります。購入した野菜は食べてしまえば形はなくなってしまいますが、カードとして手元に残ることで美味しかった野菜を応援したい気持ちはずっと残っていきますね。
「迷いはありません。」
リスクを恐れず、「出来ることは何でもやってみよう!」と行動し、その経験を学びとしながらさらに、惜しみなく他者とシェアする前向きな姿勢はどこからやってくるのでしょうか?
「迷いはありますか?」と質問したところ、「”迷う”という選択肢すら考えたことがなかった。」という想像を超えた答えでした。
様々な決断に迷いを感じない自信は、小川さんが大学生の頃に自転車で四国と九州を旅した時の成功体験が大きく影響しているのではないか、と自らを振り返ります。
農業経営という視点にとどまらず、自己実現を目指す人や事業運営に携わる人にとっても、小川さんの考えや行動力が、それぞれの目指す道へのヒントになりそうです。
日本一美味しいミニトマト
ここまで読んでいただきありがとうございます。小川さんの人柄と活動の姿勢をお伝えしてきましたが、何と言っても!小川さんの作るミニトマトの味が一番の魅力です。近所であり友人としてシーズンになると度々トマトを届けてくださるのですが、生でも味が濃くてとても美味しく、調理すると旨味がとろけ出して一層美味しくなります。「あつみちゃんトマト」は日本一美味しいミニトマトだと感じます。
今後も「渥美半島とまとランド」の小川さんの周りから何が飛び出していくのか、楽しみは続きます!
Masami Araki / 明星ライブラリー